「リリー楽綺団」(通称:リリ団)とは、現在名古屋を拠点に活動するGIRLS ROCK BAND。

バンドの特徴はなんといっても綺更と瑞月のツインボーカルだ。

伸びやかで遠くまで真っすぐ届く「太陽」のような綺更に対して、
言霊のこもった、静かに…それでいて激しく、情念に訴えかける「月」のような瑞月。
リリ団をより知れば、まさに太陽と月のイメージそのままだと誰もが頷く存在。
そしてそのVocal二人を支える、バンド隊の腕前も若いのに実に確かなものだ。

そしてROCKとDANCEが融合された圧倒的な運動量を誇るステージパフォーマンスには
見るものの心を奪い時間の経過を忘れる程に熱中してしまう事だろう。
これは実際のLIVEを見ていただくしかないのだが…

昨年の2NDフルアルバム「INDIVISUALISM」ではPUREでSPACY、清涼感のあるROCK。
今年１月に発表したMiniAlbum「EXPERIENCE」ではスピード感のある激しいROCKや軽快なPOPS、
あるいはクラブシーンのようなダンスナンバーなどアルバムというより、シングル集のような多彩に飛んだ「実験作」だった。

そして本作、2ND「INDIVISUALISM」から数えて一年ぶり、
満を持して3RDフルアルバムの「REALIZATION　Declare」がここに発表される。

これまでのリリ団になかった 往年のハードロックバンドを彷彿とさせるビートとリズム。より一体感を求めたシンガロングパート、
情景イメージが強いダンスチューン、そしてハードなサウンドの中でのメロウなトップラインと飽きさせない曲展開など…

収録される全14曲には、磨きがかかった振り幅に、よりエッジが立ったサウンドが詰め込まれている。
フルアルバムとして、彼女達が今作に込めた創意や工夫といったものが随所に感じ取れる、堂々たる内容となっている。

このコロナ禍で、個人の行動が制限される現在。
既定の路線やお約束、退屈と刺激のループの習慣に支配された2021年の日常に風穴をあける、音楽の持つパワーが体験できる筈だ。
アグレッシブに攻め続ける彼女達の「第三章」を見届けようではないか。